キャンキャン詐欺!ラフォーレ前で「モデルになる気ない」(スポーツ報知)

 大手出版社「小学館」の社長を名乗り、同社の女性ファッション誌「CanCam(キャンキャン)」のモデルに誘うなどして女子大生(19)から現金などをだまし取った詐欺容疑で、警視庁高輪署は住所不定・無職の中田佳明容疑者(41)を逮捕した。同容疑者は「(同誌元専属モデルの)山田優ちゃんを紹介する」などとだまし、女子大生から現金20万円とルイ・ヴィトンの財布を詐取した。

 年配を狙った「オレオレ詐欺」ではなく、若い女性をターゲットにした「キャンキャン詐欺」が発覚した。

 高輪署によると、詐欺容疑で逮捕された中田容疑者は1月16日、東京・原宿のファッションモール「ラフォーレ原宿」前の路上で、世田谷区の私立大1年の女性(19)に声を掛け「CanCamのモデルになる気ない? 小学館の社長をやってて収入が(月収)200〜300万あるんだ」と誘った。さらに、10月生まれにもかかわらず「きょうは品川のホテルで誕生パーティーをやるんだけど、山田優ちゃんとかトップモデルがいっぱい来て、みんな僕にプレゼントをくれるんだ。だから、君もプレゼントで気持ちを見せてくれ」と言葉巧みに持ちかけたという。

 近くの銀行の現金自動預け払い機(ATM)で約20万円を引き下ろさせ、さらに高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の路面店で約10万円の財布を購入させた。その後、電車で品川プリンスホテルに移動すると、ロビーで「タキシードに着替えてくるから5分待ってて」と言い残して中田容疑者はドロン。不審に思った女性は友人に相談したところ「だまされてるよ」と言われて我に返り、通報した。

 中田容疑者は財布のほかに自分へのプレゼントのネックレス代として現金約20万円を詐取したものとみられる。

 小学館の社長は相賀昌宏氏だが、中田容疑者は声を掛ける際に「タカハシ」と名乗っていた。さらに、ピンクのラインが入った黒のジャンパーと、刺しゅうが施されたズボンというスタイルで、髪形はセンター分けのロン毛だった。

 行方を追っていた高輪署は、女性に教えたレンタル携帯電話の番号から中田容疑者の身元を割り出し、静岡県内で逮捕した。同容疑者は「生活費を稼ぐためやった」と容疑を認めている。同様の手口による被害が原宿近辺で4件あり、同署は関連を調べている。

 小学館広報部は「(名前を)かたられていたということで大変遺憾に思っております」とコメント。別の同社関係者は「読者から同様の被害を受けたという連絡が2件来ております」と話していた。

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